横浜市の放課後児童クラブは日本版DBS認定を受けるべき?行政書士が解説(2026年9月23日)

横浜市の放課後児童クラブは日本版DBS認定を受けるべき?行政書士が解説(2026年9月23日)

「放課後児童クラブも日本版DBSの対象になるの?」
「認定は必ず受けなければならない?」
「認定を受けると、職員の採用やクラブ運営はどう変わる?」

横浜市で放課後児童クラブを運営している方の中には、このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

いわゆる「日本版DBS」の仕組みを含む「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律(こども性暴力防止法)」は、2026年12月25日に施行されます。

この制度では、学校や一定の保育施設等に対して児童対象性暴力等を防止するための措置が義務付けられるほか、学習塾や放課後児童クラブなどについても、一定の要件を満たして国の認定を受ける仕組みが設けられます。

つまり、放課後児童クラブについては「すべてのクラブが当然に日本版DBSへの対応を義務付けられる」という制度ではありません。

では、義務でないのであれば認定を受ける必要はないのでしょうか。
この記事では、横浜市で放課後児童クラブを運営する事業者の方に向けて、日本版DBSの認定制度の概要や認定を受けるメリット、実際に検討する際の注意点について行政書士が解説します。

放課後児童クラブは日本版DBSの対象になる?

日本版DBS(こども性暴力防止法)とは

日本版DBSとは、子どもと接する仕事に従事する人について、一定の性犯罪歴を確認する仕組みなどを通じて、子どもに対する性暴力を防止する制度です。

ただし、日本版DBSを単純に「性犯罪歴をチェックする制度」とだけ理解するのは十分ではありません。

こども性暴力防止法では、犯罪事実確認だけでなく、児童対象性暴力等を防止するための研修、子どもの安全を確保するための措置、相談・報告体制の整備など、複数の取組が求められます。

つまり、事業者全体で子どもを性暴力から守るための仕組みを構築する制度と考える必要があります。

放課後児童クラブは「義務対象」ではなく「認定対象」

ここは、放課後児童クラブを運営する方にとって特に重要なポイントです。

こども性暴力防止法では、対象となる事業者が大きく「義務対象」と「認定対象」に分けられています。

学校や一定の保育施設等は、法律に基づく措置を講じることが義務付けられる対象です。

一方、放課後児童健全育成事業、いわゆる放課後児童クラブについては、国の認定を受けることによって制度の対象となる「認定対象事業」に位置付けられています。

したがって、放課後児童クラブを運営しているという理由だけで、すべてのクラブに認定取得が法律上義務付けられるわけではありません。

この「義務ではない」という点と、「認定を受けるメリットがない」という点は分けて考える必要があります。

横浜市の放課後児童クラブは日本版DBS認定を受けるべき?

認定は義務ではないが、検討する価値はある

放課後児童クラブについて日本版DBSの認定を受けるかどうかは、それぞれの運営事業者が判断することになります。

そのため、「放課後児童クラブだから必ず認定を取得しなければならない」と考える必要はありません。

一方で、放課後児童クラブは、日常的に子どもと密接に関わる事業です。
放課後から保護者が帰宅するまでの長い時間をクラブで過ごす子どももいます。学校の長期休業期間には、朝から夕方までクラブで生活するケースも珍しくありません。

そのような事業の性質を考えると、児童対象性暴力等を防止する体制を整備することには大きな意味があります。

認定を取得するかどうかについては、単に「法律上の義務があるか」という観点だけでなく、

・子どもの安全をどのように守るか
・保護者にどのように安心してもらうか
・職員をどのような基準で採用するか
・万が一の問題にどのように対応するか

といったクラブ運営全体の視点から検討することが重要です。

日本版DBSの認定を受けるメリット

認定を受ける大きなメリットの一つは、国が定めた基準に基づいて児童対象性暴力等の防止に取り組む事業者であることを、対外的に示しやすくなることです。

認定事業者は、所定の認定マークを広告などに表示できる仕組みが設けられています。
放課後児童クラブを選ぶ保護者にとって、「子どもを安心して預けられる場所かどうか」は極めて重要な判断材料です。

認定取得によってすべてのリスクをなくせるわけではありませんが、一定の基準に基づく安全対策に取り組んでいることを保護者へ示す一つの材料にはなるでしょう。

また、認定取得に向けて準備を進める過程そのものにも意味があります。
これまで各職員の経験や判断に任せていた事項を明文化したり、採用方法や研修内容、子どもとの接し方、問題が発生した場合の報告ルートなどを改めて確認したりする機会になるからです。

認定を受けなければ何もしなくてよいわけではない

認定が任意であることから、「それなら当面は何もしなくてもよい」と考える方もいるかもしれません。

しかし、認定取得の有無と、子どもの安全を守るための取組は別問題です。
たとえば、

・職員と児童が密室で二人きりになる状況をどのように防ぐか
・児童から相談があった場合に誰が対応するか
・問題行動を発見した職員が誰に報告するか
・アルバイトや非常勤職員を含めてどのような研修を実施するか
・採用時にどのような確認を行うか

といった事項は、認定を取得するかどうかにかかわらず検討しておくことが望ましいでしょう。

日本版DBSの認定を受けると放課後児童クラブに何が求められる?

従事者について犯罪事実確認が必要になる

認定事業者になると、対象となる業務に従事する者について、法律に基づく犯罪事実確認を適切に実施する必要があります。

ここで注意したいのは、「認定を受ければ、事業者が自由に職員の犯罪歴を調査できるようになる」という制度ではないことです。

犯罪事実確認は、法律で定められた対象・方法・手続に従って行う必要があります。

また、放課後児童クラブでは正規職員だけでなく、パート、アルバイトなどさまざまな立場の人が子どもと関わる場合があります。

そのため、認定を検討する段階で「誰が確認対象になるのか」を整理しておくことが重要です。

性暴力を防止するための安全確保措置も必要

日本版DBS対応では、犯罪事実確認だけを実施すればよいわけではありません。
児童対象性暴力等を防止するため、事業者として必要な安全確保措置を講じることが求められます。

たとえば、職員への研修、子どもの安全を守るためのルールづくり、相談・報告体制の整備などです。

放課後児童クラブには、それぞれ異なる施設環境があります。
専用施設を利用するクラブもあれば、学校施設等を活用しているクラブもあります。職員数や児童数、運営形態もさまざまです。

したがって、制度への対応を考える際には、国が示す基準を確認したうえで、それぞれのクラブの実情に合わせて具体的な運用方法を検討する必要があります。

性犯罪歴が確認された場合の対応も考えておく

犯罪事実確認の結果、対象となる性犯罪歴が確認された場合には、子どもへの性暴力を防止するために必要な措置を講じることになります。

ここでは非常に慎重な対応が必要です。
「犯罪歴が確認されたから直ちに解雇する」といった単純な問題ではなく、担当業務の変更や配置等を含め、法律に沿って適切な措置を検討する必要があります。

また、雇用契約や就業規則など労務管理上の問題も関係します。
必要に応じて、弁護士や社会保険労務士などの専門家とも連携しながら対応することが重要です。

行政書士が解説|日本版DBS認定申請で事前に準備したいこと

まず自分のクラブが認定対象となるか確認する

最初に確認したいのが、自分たちの運営する事業が認定対象事業に該当するかどうかです。
一口に「学童」「放課後児童クラブ」といっても、実際の運営形態や事業内容はさまざまです。

特に、一つの法人が放課後児童クラブ以外の子ども向け事業も運営している場合には、どの事業について認定を取得するのかを整理する必要があります。

まずは自社・自団体の事業内容と制度上の位置付けを確認するところから始めましょう。

認定基準を満たすための体制を整備する

認定申請は、単に申請書を作成して提出するだけの手続ではありません。
認定基準を満たすための体制そのものを整備する必要があります。

たとえば、

・児童対象性暴力等を防止するためのルール
・職員への研修
・児童からの相談等を把握する仕組み
・問題が発生した場合の報告体制
・犯罪事実確認に関する情報管理
・責任者や担当者の設定

などについて検討することになります。

重要なのは、書類上だけ制度を整えるのではなく、実際のクラブ運営で機能する仕組みにすることです。

規程や必要書類を準備する

認定取得に向けては、必要となる規程や書類の準備も重要です。
こども家庭庁からは、制度への対応に関するガイドラインや各種資料、ひな型等が公表されています。
ひな型がある場合でも、そのままクラブ名だけを書き換えれば十分とは限りません。

職員数、施設環境、組織体制、運営主体などを踏まえ、実際の運営と規程の内容が一致するように整えることが大切です。

認定取得後の運用まで考える

日本版DBSへの対応で特に注意したいのが、「認定を取得すること」自体をゴールにしないことです。

認定後も、新しい職員の採用、職員への研修、犯罪事実確認に関する情報の管理など、継続的な対応が必要になります。
担当者が退職しただけで制度が機能しなくなるようでは、十分な体制とはいえません。
誰が担当しても一定の手順で対応できるよう、業務フローや管理方法まで整えておくことが重要です。

横浜市で放課後児童クラブを運営する事業者が注意したいポイント

制度施行前から準備を進める

こども性暴力防止法の施行日は2026年12月25日です。
認定取得を検討している場合、施行後に初めて制度を調べ始めるのではなく、事前に準備を進めておくことが重要です。

まずは現在のクラブ運営について、

・採用時にどのような確認をしているか
・職員研修をどのように行っているか
・子どもから相談を受ける仕組みがあるか
・問題が発生した際の報告ルートが明確か
・職員と児童との接し方についてルールがあるか

などを棚卸ししてみるとよいでしょう。
現在の体制と認定基準との間にどのような差があるのかが分かれば、必要な準備も見えてきます。

保護者への説明も考えておく

放課後児童クラブでは、保護者との信頼関係が非常に重要です。

認定を取得するのであれば、「日本版DBSの認定を取得しました」と伝えるだけではなく、クラブとしてどのような安全対策に取り組んでいるのかを分かりやすく説明することも大切です。

反対に、認定を取得しない場合でも、クラブ独自に実施している安全対策や職員研修などを保護者へ説明することは、安心感につながるでしょう。

個人情報と労務管理にも注意する

日本版DBSへの対応では、非常にセンシティブな情報を取り扱うことになります。
そのため、情報を誰が管理するのか、誰が閲覧できるのか、どのように保管するのかといった情報管理体制を慎重に設計する必要があります。

また、犯罪事実確認の結果を受けた配置等の措置については、労働法上の問題が関係する可能性もあります。

認定申請の手続だけを見るのではなく、個人情報保護や労務管理まで含めた運用を考えておくことが重要です。

放課後児童クラブの日本版DBS認定に関するよくある質問

放課後児童クラブは必ず認定を受けなければなりませんか?

放課後児童クラブは、学校等のように法律上当然に措置が義務付けられる事業ではなく、認定を受けることができる対象として位置付けられています。

そのため、放課後児童クラブを運営しているという理由だけで、一律に認定取得が義務付けられるわけではありません。

認定を受けないと放課後児童クラブを運営できませんか?

日本版DBSの認定を受けていないことだけを理由として、直ちに放課後児童クラブを運営できなくなるという制度ではありません。
ただし、認定の有無とは別に、子どもの安全を確保するための取組は重要です。

認定を受ければ、すべての犯罪歴を確認できますか?

日本版DBSは、事業者が従事者のあらゆる犯罪歴を自由に調査できる制度ではありません。
法律で定められた対象となる性犯罪について、所定の手続により犯罪事実確認を行う制度です。

アルバイトやパートも対象になりますか?

雇用形態の名称だけで判断するものではありません。
実際にどのような業務を担当し、児童とどのように接するのかなど、制度上の要件に照らして確認する必要があります。
「正職員ではないから対象外」と自己判断せず、個別に確認することが重要です。

認定事業者マークはホームページに掲載できますか?

認定を受けた事業者には、認定を受けたことを示す表示に関する仕組みが設けられています。
保護者に対して安全対策への取組を伝える際にも活用が考えられます。
具体的な表示方法については、最新のこども家庭庁の資料等を確認してください。

認定申請はいつから準備すればよいですか?

認定取得を検討しているのであれば、早めに現在の運営体制を確認することをおすすめします。

認定申請では、申請書類だけでなく、児童対象性暴力等を防止するための体制や規程、研修、情報管理などについて準備する必要があるためです。

特に複数のクラブを運営している事業者や、多数の職員を雇用している事業者では、社内・団体内での調整にも時間がかかる可能性があります。

まとめ|横浜市の放課後児童クラブは日本版DBS認定を早めに検討しよう

放課後児童クラブは、日本版DBSにおける認定対象事業です。

学校や一定の保育施設等とは異なり、すべての放課後児童クラブに認定取得が一律に義務付けられるわけではありません。

したがって、「認定を受けるべきか」については、それぞれの運営事業者が制度の内容やクラブの実情を踏まえて判断することになります。

その際、認定申請の手間や費用だけを見るのではなく、

・子どもの安全を守ること
・保護者に安心してもらうこと
・職員が安心して働けるルールを整備すること
・採用や研修の仕組みを見直すこと
・問題発生時に組織として対応できるようにすること

といった観点から検討することが重要です。

また、認定取得を目指す場合は、申請書の作成だけでなく、規程、研修、情報管理、採用、相談・報告体制など、実際のクラブ運営に関わる幅広い準備が必要になります。

2026年12月25日の制度施行を見据え、まずは現在の運営体制を確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。

横浜市で放課後児童クラブの日本版DBS認定を検討している方へ

日本版DBSの認定申請では、「必要書類をそろえて申請する」ことだけを考えるのではなく、実際の放課後児童クラブの現場で無理なく運用できる仕組みをつくることが重要です。

特に放課後児童クラブには、一般的な企業とは異なる運営上の特徴があります。

保護者との関係、支援員等の勤務体制、児童との日常的な接し方、学校や行政との関係、限られた人員の中での役割分担など、現場を踏まえなければ分からない事情も少なくありません。

当事務所の代表は、保護者運営型の放課後児童クラブの運営に長年携わってきました。

そのため、単に制度や申請書類の内容だけではなく、「実際の放課後児童クラブではどのように運用するのか」という現場の視点を踏まえたご相談に対応することができます。

また、行政書士として放課後児童クラブをはじめとする事業者への支援実績も豊富です。

日本版DBSについて、

「自分たちのクラブは認定を受けるべきだろうか」
「認定要件を満たしているのか確認したい」
「どのような規程を整備すればよいか分からない」
「申請書類の作成から認定申請までサポートしてほしい」
「制度には対応したいが、現場の負担が大きくならない方法を考えたい」

といったお悩みがある場合には、お気軽にご相談ください。

制度を知っているだけではなく、放課後児童クラブの現場を知っている行政書士として、それぞれのクラブの運営実態を踏まえた日本版DBS対応をサポートいたします。

※本記事は2026年9月時点の法令・公表資料等をもとに一般的な情報を解説したものです。制度の運用、認定要件、申請方法等については、こども家庭庁その他の関係機関が公表する最新情報をご確認ください。個別の事案については、専門家への相談をおすすめします。