スナック・バーを開業できる用途地域とは?横浜・関内・伊勢佐木|行政書士が解説(2026年8月17日)

スナック・バーを開業できる用途地域とは?横浜・関内・伊勢佐木|行政書士が解説(2026年8月17日)

横浜市でスナックやバーを開業しようとすると、立地や家賃、内装などに目が向きがちです。しかし、物件を契約する前に必ず確認しておきたいのが「用途地域」です。

用途地域によっては、予定している店舗の営業形態や規模などによって建築上の制限を受ける可能性があります。また、スナック・バーの場合は用途地域だけでなく、飲食店営業許可や風営法上の地域規制、深夜営業に関する届出なども確認しなければなりません。

「以前もスナックだったから大丈夫だろう」「不動産会社から飲食店OKと言われたから問題ない」と考えて契約すると、予定していた営業ができないケースもあります。

この記事では、横浜市でスナック・バーの開業を検討している方に向けて、用途地域の基本から物件選びで注意したいポイントまで、行政書士の視点からわかりやすく解説します。

スナック・バーの開業で確認したい「用途地域」とは?

用途地域とは建物の用途などを制限する都市計画上のルール

用途地域とは、都市計画法に基づいて定められる地域区分です。

住宅、商業施設、工場などが無秩序に混在すると、住環境や利便性に問題が生じることがあります。そこで、地域ごとに建築できる建物の用途や規模などについて一定のルールが設けられています。

用途地域は大きく「住居系」「商業系」「工業系」に分けられ、さらに細かな種類に区分されています。

スナックやバーの物件を探す場合も、「店舗として貸し出されているから営業できる」とは限りません。予定している店舗の使い方が、その場所の用途地域や建築基準法上の制限に適合しているかを確認する必要があります。

用途地域によってスナック・バーを開業できる条件が異なる

飲食店については、用途地域によって建築できる店舗の規模や条件などが異なります。
そのため、「この用途地域ならスナックを開業できる」「この用途地域なら絶対に開業できない」と、店名や業態だけで単純に判断することは適切ではありません。
店舗の床面積や建物の用途、予定する営業内容などを踏まえて個別に確認することが重要です。

特に物件を新しく借りて開業する場合は、賃貸借契約を締結してから問題が発覚すると、家賃や内装工事費など大きな損失につながるおそれがあります。

「飲食店」と「風俗営業等」では確認すべき規制が違う

スナック・バーの開業で注意したいのが、建築基準法上の用途と風営法上の営業区分を混同しないことです。

たとえば、客に酒類を提供する一般的なバーと、従業員がお客さんの隣に座って談笑するなどの「接待」を行うスナックでは、風営法上必要となる手続きが異なる可能性があります。

また、午前0時以降に酒類を提供する営業についても、営業形態によって風営法上の届出等を検討する必要があります。

つまり、スナック・バーを開業するときは「飲食店として営業できる物件か」だけでなく、「そこで予定している営業形態が認められるか」という視点が欠かせません。

スナック・バーを開業できる用途地域は?

用途地域ごとの店舗開業の考え方

スナック・バーの開業可能性を判断する際は、まず物件所在地の用途地域を調べます。

一般に商業地域や近隣商業地域は、店舗や商業施設が集積することを想定した地域です。一方、住居系の用途地域では、良好な住環境を守るため、建築できる店舗の種類や規模などに制限があります。

ただし、用途地域の名称だけを見て結論を出すのは危険です。
同じ「バー」「スナック」と呼ばれる店舗でも、床面積、建物の用途、営業方法などによって確認すべき内容が変わるためです。

店舗の床面積や営業形態によって判断が変わる場合

用途地域による建築物の用途制限では、店舗の種類だけでなく床面積などが判断材料になることがあります。
また、建築基準法上の問題をクリアしていても、接待を行う場合には風俗営業許可、深夜に酒類を提供する場合には深夜酒類提供飲食店営業に関する規制など、別の法律上の確認が必要です。

物件探しを始める段階で、少なくとも次の点は整理しておきましょう。

  • 営業時間は何時から何時までか
  • 午前0時以降も酒類を提供する予定か
  • カウンター中心か、ボックス席などを設けるか
  • 従業員がお客さんに「接待」を行う予定があるか
  • カラオケなどを設置するか
  • 店舗の床面積はどの程度か

営業内容が明確になれば、物件について確認すべき法規制も整理しやすくなります。

用途地域だけで開業可能と判断できない理由

スナック・バーの開業では、用途地域を確認しただけで「この物件なら営業できる」と判断することはできません。

用途地域以外にも、建築基準法上の用途、風営法上の地域規制、保全対象施設との位置関係、飲食店営業許可の施設基準、消防関係の手続きなど、複数の確認事項があるためです。

したがって、用途地域は物件調査における重要なチェック項目の一つ、と考えるのが適切です。

横浜市でスナック・バーを開業する際の用途地域の調べ方

横浜市の都市計画情報から用途地域を確認する

横浜市で開業候補となる物件が見つかったら、所在地について用途地域を確認しましょう。
横浜市では都市計画に関する情報が公開されているため、候補物件がどの用途地域に指定されているかを調べることができます。
ただし、画面上で用途地域を確認しただけで営業可否を最終判断するのではなく、必要に応じて横浜市の担当部署などに確認することが大切です。

物件の住所から用途地域・建築規制をチェックする

候補物件を調査するときは、できるだけ正確な住所や建物情報を用意します。
特に確認したいのは、次のような項目です。

  • 用途地域
  • 建物の現在の用途
  • 店舗の床面積
  • 用途変更の必要性
  • 建物やテナントの構造
  • 営業予定時間
  • 予定している営業形態

「住所を調べたら商業地域だった」というだけで安心せず、実際に予定している営業内容まで含めて確認しましょう。

用途地域の境界付近にある物件は特に注意する

横浜市内には複数の用途地域があり、道路などを境に用途地域が変わる場所もあります。
候補物件が用途地域の境界付近にある場合、近隣店舗と同じ用途地域だと思い込まないことが重要です。
「隣にバーがあるから自分の物件も大丈夫」とは限りません。
物件ごとに所在地と都市計画情報を照合し、個別に確認してください。

用途地域以外にも確認!横浜市でスナック・バーを開業する際の注意点

飲食店営業許可の要件を確認する

スナックやバーで酒類や料理などを提供する場合、原則として食品衛生法に基づく飲食店営業許可について確認が必要です。

開業予定地を管轄する保健所等に施設基準を確認し、基準を満たすよう店舗を整える必要があります。

物件契約や内装工事を先に進めてしまうと、後から設備の追加や変更が必要になる可能性があるため、工事前の確認が重要です。

接待を伴う場合は風俗営業許可を検討する

スナック開業で特に重要なのが「接待」の有無です。
風営法上の「接待」に該当する営業を行う場合、営業内容に応じて風俗営業許可が必要になる可能性があります。
店側が「普通の会話」「おもてなし」と考えていても、実際の接客方法によって法的な判断が異なることがあります。

そのため、店名が「スナック」か「バー」かではなく、実際にどのような接客をするのかを基準に考える必要があります。

深夜0時以降に酒類を提供する場合に必要となる届出

接待を行わないバーなどでも、午前0時から午前6時までの深夜に、設備を設けて客に酒類を提供して営業する場合には、風営法上の「深夜における酒類提供飲食店営業」に該当するか確認が必要です。

該当する場合には、営業開始前に公安委員会への届出が必要になります。

なお、深夜営業だから必ず届出が必要というわけではなく、営業内容などによって判断する必要があります。

風営法上の営業禁止地域・保全対象施設にも注意する

接待を伴うスナックなどで風俗営業許可が必要になる場合は、用途地域だけでなく、風営法や条例に基づく場所の規制も重要になります。

営業所の場所によっては許可を受けられない場合があるほか、学校や病院など一定の施設との位置関係が問題になることがあります。

この点も、物件を契約した後では対応が難しくなる場合があります。

横浜市で風俗営業を予定している場合には、候補物件を決めた段階で地域規制や周辺施設を調査しておくことが重要です。

消防・建築関係の手続きも確認する

スナック・バーを開業するときは、消防法や建築基準法についても確認が必要です。
収容人数、建物の状況、工事内容などによって、消防関係の届出や設備の設置が必要になることがあります。
また、テナントの従前用途と新たな用途が異なる場合には、建築関係の確認が必要になるケースもあります。

行政書士だけで判断できない建築・消防分野については、建築士や消防設備士など他の専門家との連携が必要になることもあります。

横浜市でよくあるスナック・バー開業時の物件選びの失敗

物件を契約してから用途地域の問題に気付くケース

開業時に避けたいのが、先に賃貸借契約を締結し、その後に許認可の調査を始めるパターンです。

「立地が良い」「家賃が予算内」「居抜きですぐ営業できそう」という理由だけで契約すると、後から予定していた営業形態では許可を取得できないことが判明する可能性があります。

物件の申込みや契約を進める際には、許認可取得の可否を事前に調査することが大切です。

「以前もバーだったから大丈夫」と判断してしまうケース

前のテナントがバーやスナックだったとしても、新しい経営者が同じように営業できるとは限りません。

前店舗と新店舗では営業時間や接客方法が異なる可能性があります。また、以前の営業時点から法令や周辺状況などが変化していることも考えられます。

前の店が営業していたという事実は参考情報にはなりますが、それだけを根拠に判断するのは避けましょう。

居抜き物件でも現在の営業内容に適合するとは限らない

居抜き物件は、カウンターや厨房などを利用でき、初期費用を抑えられるメリットがあります。

一方で、既存設備が現在の営業許可の施設基準に適合するとは限りません。

風営法上の許可が必要な営業では店舗の構造・設備についても基準があるため、「内装が完成しているからそのまま申請できる」と考えず、現状を確認してから契約・工事を進めることが重要です。

行政書士が解説!スナック・バーの物件契約前に確認したいポイント

予定している営業形態を明確にする

最初に決めたいのは「どのような店を営業するのか」です。
営業時間、酒類の提供、接待の有無、客席の配置、カラオケなどの設備について具体的に整理します。
営業形態が曖昧なままでは、必要な許可・届出を正確に判断できません。

用途地域と風営法上の地域規制を確認する

候補物件が見つかったら、用途地域などの建築関係の規制と、風営法上の地域規制をそれぞれ確認します。
特に風俗営業許可を予定している場合は、場所の選定が非常に重要です。
条件を満たさない物件を契約してしまうと、内装を変更するだけでは解決できないことがあります。

必要な許可・届出を整理してから物件を決める

スナック・バーでは、営業内容によって主に次のような許可・届出が関係します。

  • 飲食店営業許可
  • 風俗営業許可
  • 深夜における酒類提供飲食店営業の届出
  • 消防関係の届出
  • 建築関係の手続き

すべての店舗に同じ手続きが必要なわけではありません。

「自分の店には何が必要なのか」を整理し、それぞれの要件を候補物件が満たせるか確認することがポイントです。

不明点は契約前に行政や専門家へ確認する

スナック・バーの開業では、複数の法令や行政機関が関係します。
不明な点があれば、不動産会社や前テナントからの情報だけで判断せず、関係行政機関や各分野の専門家へ確認しましょう。

行政書士に相談する場合も、建築関係については建築士など適切な専門家への確認が必要になることがあります。

横浜市でスナック・バーを開業するまでの流れ

①営業形態を決める

まずは営業時間、接待の有無、酒類提供の方法などを決定します。
「どのような営業をするか」によって必要な手続きが変わるため、最初に整理しておきましょう。

②候補物件の用途地域・地域規制を確認する

次に、候補物件について用途地域や風営法上の地域規制を確認します。
この段階で問題がある場合は、契約前に別の物件を検討できます。

③物件の設備・構造要件を確認する

営業許可等に必要な施設・構造上の基準を確認します。
内装工事を予定している場合は、工事を始める前に必要な基準を把握しておくと、施工後のやり直しを防ぎやすくなります。

④必要な許可・届出を準備する

営業形態に応じて飲食店営業許可、風俗営業許可、深夜酒類提供飲食店営業の届出などを準備します。
申請先や必要書類、手続きのタイミングはそれぞれ異なるため、開業予定日から逆算して進めましょう。

⑤許可取得・届出後に営業を開始する

許可が必要な営業については、必要な許可を受ける前に営業を開始しないことが重要です。
また、届出についても法定の期限を確認し、余裕を持って準備しましょう。

横浜市のスナック・バー開業と用途地域に関するよくある質問

商業地域なら必ずスナック・バーを開業できますか?

必ず開業できるとは限りません。
商業地域であっても、建物自体の状況、営業形態、風営法上の規制、保全対象施設との関係、飲食店営業許可の施設基準など、別の条件を確認する必要があります。

用途地域は重要ですが、それだけで営業可否を判断しないようにしましょう。

深夜営業をしなければ用途地域は関係ありませんか?

深夜営業をしない場合でも、用途地域などの建築上の規制について確認する必要があります。
「用途地域」と「深夜営業に関する風営法上の規制」は別の問題として考えましょう。

居抜きのスナック物件ならそのまま営業できますか?

必ずしもそのまま営業できるわけではありません。
以前の営業者と現在の営業者では営業内容が異なる可能性があり、必要な許可も変わることがあります。
設備についても現在求められる基準に適合しているか確認してください。

物件を契約した後でも許可が取れないことはありますか?

あります。

特に風俗営業許可など、立地そのものが許可要件に関係する営業では、契約後に場所の問題が判明すると対応が難しくなることがあります。

そのため、横浜市でスナック・バーを開業する場合は「契約してから許認可を調べる」のではなく、「調べてから契約する」という順序を意識することが重要です。

まとめ|横浜市でスナック・バーを開業するなら用途地域を契約前に確認

横浜市でスナック・バーを開業するときは、物件の用途地域を事前に確認することが重要です。

ただし、用途地域だけを確認すれば十分というわけではありません。

営業形態によっては、飲食店営業許可に加えて風俗営業許可や深夜酒類提供飲食店営業の届出などが関係します。建築基準法、消防法、風営法上の地域規制なども含め、候補物件で予定する営業ができるか総合的に確認する必要があります。

特に注意したいのは、物件を契約するタイミングです。

契約後に「予定していた営業ができない」と判明すると、賃料や内装工事費などの負担が生じる可能性があります。できるだけ物件契約前に営業内容と必要な許認可を整理し、候補物件の適否を調査しましょう。

横浜市でスナック・バーの開業を検討していて、「この物件で開業できるのかわからない」「風俗営業許可と深夜酒類提供飲食店営業のどちらに該当するかわからない」といった疑問がある場合は、行政書士への相談をご検討ください。

※本記事は一般的な制度について解説したものであり、個別の物件における営業可否を保証するものではありません。用途地域、建築物の用途、営業形態、条例その他の条件によって判断が異なるため、実際の開業時には最新の法令・条例および関係行政機関への確認が必要です。