顧問先様のスタッフの方を対象に、全4回の「生成AI人材研修」の第1回を実施しました。
今回の研修で目指しているのは、単にChatGPTなどのAIツールの操作方法を覚えることではありません。
AIを使って、自分自身で日々の仕事を改善できるようになること。
そのため、第1回ではAIの基本的な使い方を体験してもらいながら、普段の仕事の中に「AIを使って改善できること」がないか、一緒に探していきました。
AIを使う前に、まず「困っていること」を見つける
私は、AI活用で特に重要なのは「課題発見力」だと考えています。
いくらChatGPTの操作方法やプロンプトを覚えても、「自分の仕事のどこで使えばいいのか」が分からなければ、なかなか日常業務には定着しません。
そこで今回の研修では、まず普段行っている業務について整理しました。
例えば、
- 小口現金・領収証の管理
- 鍵の管理
- 書類のファイリング
- 申請書の管理
などです。
話を聞いていくと「申請書類は紙をファイリングしているだけなので、もっと管理しやすくしたい」など、改善できそうなポイントがいくつも見つかりました。
これこそが、AI活用のスタート地点だと思います。
いきなり「AIで何ができるだろう?」とAIありきで考えるのではなく、
「この仕事、時間がかかっているな」
「これ、ちょっと面倒だな」
「もっと管理しやすくできないかな」
という日常の小さな気づきから始めます。
「このメールを丁寧にして」で驚き
研修では、ChatGPTを使ったメール作成・文章改善も体験してもらいました。
その際、特に印象的だったのが、
「メールを社外向けとして丁寧な文章に直すのに、今まで1時間くらいかけることもあった」というお話です。
そこで、実際にAIに文章を渡して、相手に失礼のない丁寧なメールへ修正してもらいました。
これまで時間をかけて悩んでいた文章の下書きが、AIを使えば短時間で作れます。
もちろん、AIが作った文章をそのまま送ればよいわけではありません。最後に内容を確認し、自分の言葉や相手との関係性に合わせて調整することは必要です。
それでも、「ゼロから全部自分で考える」のと、「AIが作った下書きを自分で整える」のでは、仕事の負担は大きく変わります。
AIを使うメリットが、とても分かりやすく実感できた場面でした。
「社長が見やすい形」に情報を整理する
もう一つ反応が良かったのが、報告内容をAIに整理してもらう使い方です。
文章で書かれた情報を、そのまま報告するのではなく、AIに「箇条書きにまとめてください」または「表にまとめてください」と依頼する。
すると、内容を項目ごとに整理し、ひと目で状況を把握しやすい形に変えることができます。
実際に体験していただくと、「報告内容を表でまとめるのはすごく良い。社長の好みだと思う」という感想がありました。
これは単なる「時短」とは少し違います。
AIを使うことで、仕事を速くするだけではなく、相手にとって分かりやすい仕事に変えることができるからです。
NotebookLMを使って資料を読み込ませ、内容を整理・確認する方法についても体験していただき、「これも使えそう」という反応がありました。
AIを学ぶことより、「仕事を改善すること」
今回、普段の業務について一緒に整理してみると、AIやデジタルツールを活用して改善できそうな課題がたくさん見つかりました。
研修後には、「課題がものすごくあるので、復習しながら自身でも使っていく」という前向きな感想もいただきました。
私は、これが今回の第1回研修で一番大切な成果だったと思っています。
AI研修というと、「ChatGPTの使い方」「便利なプロンプト」といった操作方法に目が向きがちです。
しかし、本当に大切なのはツールをたくさん知ることではありません。
普段通り仕事をする。
その中で「これ、時間がかかるな」「面倒だな」と気づく。
課題を見つける。
AIで試してみる。
そして、より良いやり方へ改善する。
この小さなサイクルを、日常業務の中で繰り返せるようになること。
それが、今回の研修で目指しているゴールです。
次回は「実践・反復」へ
今回は、AIに触れながら「自分の仕事のどこに使えそうか」を見つけることを中心に進めました。
次回からはさらに実践的に、ChatGPTをはじめとした各種AIツールについて、「どんなことができるのか」「どのように指示すればいいのか」を取扱説明書のように一つずつ確認していきます。
そのうえで、実際の業務を題材に何度も使ってみる。
知る → 使う → 失敗する → 改善する → もう一度使う。
この反復を通して、AIを「研修で触ったことがあるツール」ではなく、「普段の仕事で自然に使える道具」にしていきます。
全4回の研修が終わったときに目指すのは、「AIを使える人」になることではありません。
AIという新しいパートナーを使いながら、自分自身で仕事の課題を発見し、改善できる人になること。
第2回では、今回見つかった実際の業務課題も題材にしながら、さらに具体的なAI活用に取り組んでいきます。
