横浜市の関内・伊勢佐木町でスナックやバーを開業しようと考えている方の中には、「HACCP(ハサップ)という言葉は聞いたことがあるけれど、具体的に何をすればいいの?」「お酒が中心の小さなバーにもHACCPは関係する?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
HACCPに沿った衛生管理は、原則としてすべての食品等事業者が取り組むこととされています。
そのため、関内・伊勢佐木町でスナックやバーなどの飲食店を開業する場合も、営業内容に応じた衛生管理について理解しておくことが大切です。
ただし、「HACCP対応」と聞いて、大規模な設備投資や難しい認証の取得が必要だと思う必要はありません。
小規模な飲食店では、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」に取り組むことが一般的です。
この記事では、関内・伊勢佐木町でスナック・バーの開業を検討している方に向けて、HACCPとは何か、具体的にどのような対応が必要なのか、飲食店営業許可とはどう違うのかを解説します。
また、行政書士の視点から、スナック・バーを開業するときに確認しておきたい許認可についてもご紹介します。
HACCP(ハサップ)とは?バー開業前に知っておきたい基礎知識
HACCPは食品の衛生管理を行うための仕組み
HACCPとは「Hazard Analysis and Critical Control Point」の頭文字を取った言葉で、日本語では「危害要因分析重要管理点」と訳されます。
簡単にいうと、食品を提供する過程で「どのような衛生上のリスクがあるのか」を考え、そのリスクを防止するために重要なポイントを管理する衛生管理の手法です。
従来の衛生管理では、完成した食品を検査するという考え方も重視されていました。
これに対してHACCPでは、原材料の受け入れから保管、調理、提供までの工程を確認し、食中毒や異物混入などにつながる危害要因をあらかじめ把握して管理していきます。
スナックやバーの場合でも、氷、飲料、簡単なおつまみ、調理した料理などをお客様に提供することがあります。
そのため、日々の営業の中で適切な衛生管理を行うことが重要です。
なぜスナックやバーにもHACCP対応が求められるのか
改正食品衛生法により、原則としてすべての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理への取り組みが求められています。
「うちはお酒が中心だから関係ない」と考えてしまう方もいるかもしれません。
しかし、スナックやバーも営業内容によっては飲食店営業に該当し、食品衛生法に基づく営業許可や衛生管理が必要となります。
特に、次のようなものを提供する店舗では衛生管理が重要です。
・お通し
・乾き物
・生もの
・簡単なおつまみ
・加熱調理した料理
・氷を使用したドリンク
「料理はほとんど出さない」という場合でも、実際にどのようなものを、どのような方法で提供するのかを整理しておきましょう。
「HACCPに基づく衛生管理」と「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」の違い
HACCPに沿った衛生管理には、大きく分けて、
「HACCPに基づく衛生管理」と「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」があります。
一般的な小規模飲食店などは、業界団体が作成し、厚生労働省が内容を確認した手引書などを参考にしながら、「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を行うことができます。
関内・伊勢佐木町で個人経営のスナックや小規模なバーを開業する場合も、この方法で衛生管理を行うケースが多いでしょう。
具体的には、衛生管理計画を作成し、その計画に基づいて日々の衛生管理を行い、実施状況を記録・保存していくことが基本となります。
関内・伊勢佐木町でスナック・バーを開業する場合もHACCP対応は必要?
お酒が中心のバーでもHACCP対応が必要になるケース
「料理は出さず、お酒だけを提供するバーならHACCPは必要ないのでは?」と思われることがあります。
しかし、店舗で行う営業が食品衛生法上どのように扱われるかは、実際の営業内容によって判断する必要があります。
たとえば、酒類に加えて氷やおつまみ、簡単な料理などを提供する一般的なバー・スナックでは、飲食店営業許可が関係するケースが多くあります。
そのため、開業前に「バーだから大丈夫」と自己判断するのではなく、提供するメニューや営業方法を具体的に決めたうえで、必要となる営業許可や衛生管理について確認しましょう。
おつまみや簡単な料理を提供する場合の考え方
スナックやバーでは、本格的なレストランのような料理を提供しなくても、
枝豆
チーズ
サラダ
唐揚げ
パスタ
冷凍食品
お通し
などを提供するケースがあります。
HACCPの考え方を取り入れた衛生管理では、「どのような食品を、どのような工程で提供するのか」を考えることがポイントになります。
たとえば、冷蔵が必要な食品については適切な温度で保管する、加熱が必要な食品は十分に加熱する、調理器具を清潔に保つといった基本的な衛生管理を確実に実施します。
店舗で提供するメニューを決めることは、HACCP対応を考えるうえでも重要なのです。
小規模なスナック・バーで求められる衛生管理とは
HACCPという名称から、「専門家に高額なコンサルティングを依頼しなければならない」「高価な衛生管理システムを導入しなければならない」と考える方もいます。
しかし、小規模な一般飲食店の場合、必ずしもそのような対応が必要というわけではありません。
厚生労働省のウェブサイトでは、小規模な一般飲食店事業者向けのHACCPの手引書も公開されています。
こうした手引書を活用しながら、自分の店舗に合った衛生管理計画を作り、実施・記録・見直しを行うことが基本となります。
スナック・バーのHACCP対応で具体的に何をすればいい?
衛生管理計画を作成する
まず必要になるのが、店舗の衛生管理計画です。
飲食店では、たとえば、
・原材料の受け入れ
・冷蔵、冷凍庫の温度確認
・交差汚染、二次汚染の防止
・器具などの洗浄、消毒
・トイレの清掃
・従業員の健康管理
・手洗い
などについて、どのように管理するかを決めます。
難しい計画書を一から作るというより、対象となる事業者向けの手引書を参考にして、自店舗の営業内容に合った計画を作成すると理解しやすいでしょう。
日々の衛生管理を実施して記録する
計画を作っただけではHACCP対応とはいえません。
作成した衛生管理計画に沿って日々の衛生管理を実施し、その結果を記録することが重要です。
たとえば、
「冷蔵庫の温度に問題はなかったか」
「従業員の体調に問題はなかったか」
「トイレの清掃・消毒を行ったか」
などを確認して記録します。
記録を残すことで、店舗が衛生管理を継続して実施していることを確認しやすくなります。
冷蔵庫の温度・手洗い・清掃などをチェックする
スナックやバーでは深夜まで営業する店舗も少なくありません。
忙しい時間帯が続くと、清掃や温度管理などがおろそかになる可能性があります。
だからこそ、「誰が」「いつ」「何を確認するのか」をあらかじめ決めておくことが大切です。
特に一人で営業する店舗では、複雑すぎる管理方法を作ると継続できません。
毎日の営業の中で無理なく実施できる方法を考えましょう。
問題が発生した場合の対応方法を決めておく
衛生管理では、問題が発生した場合の対応も重要です。
たとえば、冷蔵庫の温度が通常より高くなっていた場合、「記録表に×を付ける」だけでは十分とはいえません。
食品の状態を確認する、原因を調べる、必要に応じて使用を中止するなど、問題が起きたときの対応まで考えておくことが大切です。
こうした対応をあらかじめ決めておくことで、万が一のトラブルにも対応しやすくなります。
HACCPと飲食店営業許可は何が違う?
飲食店営業許可とHACCPは別の制度
スナック・バーの開業で混同されやすいのが、「飲食店営業許可」と「HACCP」の関係です。
この2つは同じものではありません。
飲食店営業許可は、対象となる営業を行うために取得する営業許可です。
一方、HACCPに沿った衛生管理は、営業開始後も含めて食品を衛生的に取り扱うための管理方法です。
つまり、「飲食店営業許可を取ったからHACCPは関係ない」というわけではありません。
開業時には、営業許可の取得と衛生管理の体制づくりをそれぞれ確認する必要があります。
横浜市で飲食店営業許可を取得する際の基本的な流れ
横浜市で飲食店を開業する場合、店舗所在地を管轄する福祉保健センター生活衛生課への営業許可申請などが必要になります。
一般的には、
- 店舗・営業内容を決める
- 施設基準を確認する
- 必要な設備を整える
- 営業許可を申請する
- 施設の調査を受ける
- 許可後に営業を開始する
という流れで準備を進めます。
ただし、店舗や営業内容によって必要な対応は異なるため、実際の開業時には所管窓口へ事前に確認することが重要です。
店舗契約・内装工事の前に確認しておきたい施設基準
バーやスナックを開業するときに特に注意したいのが、「物件を契約してから許認可について調べ始める」ケースです。
飲食店営業許可には施設基準があります。
さらに、営業形態によっては食品衛生法以外の法令や手続きも関係します。
高額な内装工事を終えた後に問題が判明すると、追加工事が必要になったり、予定していた営業形態を変更しなければならなくなったりする可能性があります。
できれば物件契約や本格的な内装工事の前に、予定している営業が可能なのかを確認しておきましょう。
関内・伊勢佐木町でバー開業するときの注意点
バー・スナックの営業形態によって必要な手続きが変わる
バーやスナックを開業するときは、「飲食店営業許可を取れば終わり」とは限りません。
どのような営業を行うかによって、必要となる許可・届出が変わる可能性があります。
特に重要なのが、
・何時まで営業するのか
・主として何を提供するのか
・従業員がお客様にどのような接客をするのか
・店内の設備や構造はどうなっているのか
といった点です。
同じ「バー」「スナック」という名称でも、実際の営業内容によって法的な扱いが異なる場合があります。
深夜0時以降に酒類を提供する場合に確認すべき届出
関内・伊勢佐木町でバーを開業する場合、深夜0時を過ぎても営業したいという方は多いでしょう。
深夜における酒類提供を中心とした飲食店営業については、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)に基づく届出が関係する場合があります。
いわゆる「深夜酒類提供飲食店営業」の届出です。
ただし、「0時を過ぎて営業する飲食店ならすべて同じ届出が必要」と単純に判断できるものではありません。
営業内容や酒類提供の形態などによって確認が必要になるため、具体的な営業計画に基づいて判断することが大切です。
接待を伴う営業を予定している場合の注意点
スナック開業で特に注意したいのが「接待」です。
風営法上の「接待」に該当する営業を行う場合、一般的な飲食店営業許可や深夜酒類提供飲食店営業の届出だけではなく、風俗営業許可が問題となる場合があります。
「接待」に該当するかどうかは、単にスタッフがお客様と会話をするかどうかだけで判断するものではありません。
具体的な接客方法や営業実態から判断する必要があります。
「自分の店はバーだから大丈夫」「スナックだから必ず風俗営業許可が必要」と店名や業態名だけで判断せず、予定している接客方法を具体的に整理して確認しましょう。
物件を契約する前に営業許可・届出の可否を確認する
関内・伊勢佐木町で物件を探す際は、立地や賃料、内装だけで判断しないことが重要です。
予定している営業形態によっては、用途地域や店舗の構造・設備、周辺施設など、さまざまな条件の確認が必要になることがあります。
「以前もバーだった物件だから、自分も同じように営業できるだろう」と考えるのも注意が必要です。
以前の店舗と今回の店舗で、営業者や営業形態、必要となる許認可が同じとは限りません。
物件契約後に営業できないことが判明すると大きな損失につながるため、開業前の確認は非常に重要です。
行政書士が解説|バー開業でよくあるHACCPの疑問
HACCPのために新しい設備を導入する必要はある?
HACCP対応だからといって、一律に特別な高額設備を導入しなければならないわけではありません。
重要なのは、営業内容に応じて衛生上のリスクを把握し、適切な管理を継続することです。
ただし、飲食店営業許可を取得するための施設基準は別途確認する必要があります。
「営業許可の施設基準」と「HACCPに沿った衛生管理」を分けて考えると理解しやすいでしょう。
HACCPの認証を取得しなければ営業できない?
「HACCPが義務化された=HACCPの民間認証を取得しなければ飲食店を営業できない」と考える方もいますが、これは分けて考える必要があります。
一般的な小規模飲食店がHACCPに沿った衛生管理を行うために、必ず民間のHACCP認証を取得しなければならないという意味ではありません。
必要なのは、対象となる事業者が制度に沿った衛生管理を実施することです。
衛生管理の記録は毎日必要?
HACCPに沿った衛生管理では、計画に基づいて実施した内容を記録し、保存することが重要です。
小規模な飲食店では、手引書などを活用することで比較的シンプルな記録方法にすることもできます。
重要なのは、立派な書類を作ることではなく、実際の店舗運営の中で衛生管理を継続できる仕組みを作ることです。
一人で営業する小さなバーでも対応が必要?
小規模事業者であることだけを理由に、HACCPに沿った衛生管理が一律に不要になるわけではありません。
一人で営業する小さなバーであっても、対象となる食品等事業者であれば、営業内容に応じた衛生管理に取り組む必要があります。
むしろ一人で営業する店舗だからこそ、複雑なルールを作るのではなく、毎日続けられる衛生管理方法を決めておくことがポイントです。
関内・伊勢佐木町でスナック・バーを開業するまでの流れ
①営業形態と提供メニューを決める
最初に、どのような店にするのかを具体化します。
営業時間、酒類の提供方法、料理の内容、接客方法などを整理しましょう。
ここが曖昧だと、必要な許認可を正確に判断しにくくなります。
②物件が営業許可・届出の要件を満たすか確認する
候補物件が見つかったら、予定している営業が可能かを確認します。
特に風営法上の許可・届出が関係する営業では、物件選びが重要になります。
契約を急ぐ前に確認することをおすすめします。
③内装・設備を整えて飲食店営業許可を申請する
施設基準を確認しながら店舗を整え、飲食店営業許可の申請を進めます。
図面段階で所管窓口へ相談しておくと、完成後の手戻りを防ぎやすくなります。
④HACCPに沿った衛生管理の準備をする
営業開始に向けて、衛生管理計画や記録方法を準備します。
店舗の規模やメニューに合った方法を採用し、営業開始後も継続できる仕組みにしておきましょう。
⑤営業形態に応じて必要な届出・許可を確認する
深夜の酒類提供や接待などを予定している場合は、風営法上の手続きについても確認します。
どの手続きが必要なのか分からない」という場合は、営業内容を整理したうえで行政書士などの専門家へ相談する方法もあります。
⑥営業開始後も衛生管理と記録を継続する
HACCP対応は、開業時に書類を作成して終了するものではありません。
実際に衛生管理を実施し、記録し、必要に応じて見直していくことが大切です。
店舗のメニューや調理方法を変更した場合には、衛生管理の方法についても見直しましょう。
まとめ|関内・伊勢佐木町でのバー開業はHACCPと許認可をまとめて確認
関内・伊勢佐木町でスナックやバーを開業する場合、HACCPに沿った衛生管理について理解しておく必要があります。
一般的な小規模飲食店では、対象となる手引書などを参考に「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を実施することができます。
基本となるのは、
・衛生管理計画を作る
・計画に沿って実施する
・実施した内容を記録する
・定期的に振り返り、必要に応じて見直す
という流れです。
そして、スナック・バーの開業ではHACCPだけを確認すればよいわけではありません。
飲食店営業許可をはじめ、営業時間や酒類の提供方法、接待の有無などによって、風営法上の許可・届出などが関係する可能性があります。
特に関内・伊勢佐木町で深夜営業のバーやスナックを開業する場合は、物件を契約する前の段階から「この場所で予定している営業ができるのか」を確認することが重要です。
関内・伊勢佐木町のスナック・バー開業を行政書士に相談するメリット
飲食店営業許可や各種届出をまとめて確認できる
バー・スナックの開業では、食品衛生法だけでなく、営業内容によって風営法など複数の制度が関係する可能性があります。
行政書士へ相談することで、予定している営業時間や接客方法などを整理しながら、開業時にどのような許認可・届出を確認すべきか整理しやすくなります。
店舗の営業形態に合わせて必要な手続きを整理できる
「バー」「スナック」という名称だけでは、必要な手続きを判断できません。
深夜まで営業するのか、接待を行うのか、どのような飲食物を提供するのかなどによって確認すべき事項が変わります。
開業前に営業形態を具体的に整理することで、「物件を契約したのに予定していた営業ができない」といったリスクを抑えることにつながります。
関内・伊勢佐木町でスムーズな開業を目指すために
関内・伊勢佐木町でスナック・バーを開業したいものの、
「HACCPについて何から準備すればいいか分からない」
「飲食店営業許可の手続きが分からない」
「深夜営業の届出が必要なのか判断できない」
「接客方法が風営法上の接待に当たらないか心配」
「物件を契約する前に許認可を確認したい」
といった疑問がある方は、開業準備の早い段階で専門家や所管行政庁へ確認することをおすすめします。
開業直前になって許認可上の問題が発覚すると、開店予定日の延期や追加工事などにつながる可能性があります。
関内・伊勢佐木町でスナック・バーの開業を検討している方は、物件契約や内装工事を進める前に、必要となる営業許可・届出とHACCPに沿った衛生管理を確認し、計画的に開業準備を進めていきましょう。
※本記事は一般的な制度について解説したものであり、個別の店舗に必要な許可・届出等を保証するものではありません。実際の開業にあたっては、営業内容、店舗所在地、設備・構造等に応じて、所管行政庁や専門家へご確認ください。
