神奈川県の学習塾向け|こども性暴力防止法(日本版DBS)の認定を取るメリット・デメリット(2026年10月27日)

神奈川県の学習塾向け|こども性暴力防止法(日本版DBS)の認定を取るメリット・デメリット(2026年10月27日)

「保護者に安心して選んでもらえる教室にしたい」
「でも、認定を取ると日々の事務負担が増えるのでは?」

こども性暴力防止法の施行を前に、認定を受けるかどうか迷っている学習塾の経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

認定には、こどもの安全確保に取り組む姿勢を伝えやすくなるメリットがあります。一方で、犯罪事実確認や研修、情報管理など、認定後も継続して対応する必要があります。

この記事では、学習塾が認定を受けるメリットとデメリットを、教室運営の視点から整理します。

学習塾の認定は任意。ただし、取得後は対応が必要に

こども性暴力防止法は、こどもへの性暴力を防ぐため、教育・保育等の事業者に安全確保のための取組を求める法律です。令和8年(2026年)12月25日に施行されます。

学校や認可保育所などが義務の対象となる一方、学習塾などは、一定の要件を満たして国の認定を受けることで制度の対象となります。学習塾の認定取得は任意ですが、認定後は、対象従事者の犯罪事実確認をはじめとする法に基づく対応が必要です。

検討する際は、認定によって得られる効果と、それを支える運営体制の両方を見ることが大切です。

認定を取る4つのメリット

1.認定マークで、安全確保への取組を伝えやすくなる

認定を受けた事業者は、認定事業者マークをホームページや募集案内、求人広告などに表示できます。

普段から安全対策に取り組んでいても、その内容が保護者に十分伝わっているとは限りません。認定マークは、教室として安全確保に取り組んでいることを、目に見える形で示す手段になります。

入塾説明の際にも、マークとあわせて研修や相談窓口などの具体的な取組を紹介することで、教室の方針を伝えやすくなるでしょう。

2.保護者や採用候補者への信頼につながる

認定事業者は、こども家庭庁のウェブサイトで公表されます。認定マークとあわせて、保護者や採用候補者が教室の取組を確認する材料になります。

保護者にとって、塾選びは学力向上だけでなく、こどもを安心して通わせられるかどうかも大切な判断です。また、働く側にとっても、相談や報告の仕組みが整っている職場は安心材料になり得ます。

ただし、認定によって入塾者や応募者が必ず増えるわけではありません。認定をきっかけに、実際の取組を丁寧に伝えていくことが、信頼につながると考えられます。

3.教室運営のルールを明確にできる

認定に向けて、犯罪事実確認、研修、相談体制、児童対象性暴力等対処規程、情報管理などを整える過程は、教室運営を見直す機会にもなります。

例えば、次のような点を整理できます。

  • 講師と生徒の個人的な連絡をどう扱うか
  • 生徒や保護者からの相談を誰が受けるか
  • 不適切な言動に気づいたとき、誰に報告するか
  • 機微な情報を誰が、どのように管理するか

塾長や一部のベテラン講師の判断に頼っていたことをルールにすることで、スタッフ間の認識をそろえやすくなります。講師の入れ替わりがある教室では、引継ぎや新人教育にも役立つでしょう。

4.性暴力や不適切な事案への備えを進められる

生徒から相談があったとき、講師の不適切な行為が疑われたとき、その場で対応を考えると、判断や連絡が遅れるおそれがあります。

認定に向けて対処規程や報告体制を整えることは、こうした事態への備えになります。制度では、疑いを把握した場合の調査や、被害を受けたこどもの保護・支援なども求められます。

あらかじめ役割分担や対応手順を決め、スタッフに共有しておくことで、こどもの安全を優先した初動につなげやすくなります。

認定を取る3つのデメリット・負担

1.犯罪事実確認の運用負担がかかる

認定後は、対象となる講師等について、法で定める性犯罪歴の有無を確認する「犯罪事実確認」が必要になります。

新たに対象業務に従事する人に加え、認定時点で働いている対象者への対応も必要です。そのため、対象者の整理、本人への説明、必要な手続、確認期限の管理などの業務が発生します。

学生アルバイトなどの採用が多い教室では、採用から授業を担当するまでの流れに、確認手続を組み込む必要があります。

2.研修・相談対応・情報管理を継続する負担がある

認定後は、研修の実施、こどもの様子の把握、相談体制の運用、問題が疑われる場合の対応、犯罪事実確認に関する情報の適切な管理などを続ける必要があります。

規程を作成しても、スタッフが内容を理解し、現場で使えなければ十分な備えにはなりません。新しく採用した講師への説明や、相談窓口の周知なども必要になります。

少人数で運営する学習塾では、塾長に業務が集中しやすいため、誰が何を担当するか、どの程度の時間を確保するかまで考えておくことが大切です。

3.再確認や毎年の報告など、継続的な事務対応がある

犯罪事実確認は、一度実施すれば終わりではありません。対象業務に継続して従事する人については、原則として5年ごとの再確認が必要です。また、認定事業者には毎年の定期報告も求められます。

講師ごとの確認時期や、研修・安全確保措置の実施状況などを、日頃から管理する必要があります。

申請時の準備に加えて、認定後の記録や期限管理も含めた事務体制を整えておきましょう。

認定を検討するときは「取得後に続けられるか」も考える

認定には、安全確保への取組を保護者に伝えやすくし、教室運営を整えるメリットがあります。一方で、それを支える人手や時間、継続的な事務対応が必要です。

検討する際は、まず次の点を確認してみてください。

  • 現在の安全対策や相談体制は、どこまで整っているか
  • 採用時の犯罪事実確認を、誰が担当するか
  • 研修や情報管理を、日常業務にどう組み込むか
  • 再確認や定期報告の期限を、どう管理するか

認定マークを取得することに加え、こどもを守る仕組みを教室の中で動かし続けることが大切です。

まずは現在の運営を整理し、足りないルールや体制を確認することから始めてみてはいかがでしょうか。

認定取得から、その後の運用までサポートします

当事務所では、こども性暴力防止法に基づく認定取得のサポートと、認定後の運用支援を行っています。

申請に必要な規程や書類の整備はもちろん、研修・相談体制の整備、情報管理、継続的な事務対応まで、教室の規模や運営状況に合わせてお手伝いします。

「認定を取得するか迷っている」「今の体制で何が足りないか知りたい」という段階でも、お気軽にご相談ください。こどもたちが安心して学べる教室づくりを、一緒に進めていきましょう。

※本記事は、2026年10月28日時点のこども家庭庁の公表資料に基づいています。